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LibreOffice 3.4 の変更点

From The Document Foundation Wiki

このページについて

このページはLibreOffice 3.4 changesの日本語訳です。

このページはLibreOfficeにだけに追加された機能をリストアップしています。Oracleにより追加された機能については、別に集める必要があるでしょう。

Writer

  • Writerのページの境界がグラデーションのかかった影で表示されるようになり、色はオプションで変更可能になりました (ツール ▸ オプション ▸ 配色の調整 ▸ )。Writerを起動すれば、見た目ですぐに分かる変更点です。 (Sébastien Le Ray)
  • 段組みの境界線と脚注の境界線について、色とスタイルが選べるようになりました。これによりODFとの互換性が向上しています。 (Cédric Bosdonnat)
  • 番号付けにおいてギリシャ文字が利用可能に。 (Pantelis Koukousoulas)
  • Graphiteスマートフォントレンダリングに関して、新しく高速化されたGraphiteエンジンを使うように完全に書き換え、少なくとも10倍高速化し、より安定しました。既存のフォントやドキュメントを変更する必要はありません。 (Keith Stribley, Martin Hosken, SIL International)

Calc

  • 「シートの移動またはコピー」ダイアログを改善 (編集 ▸ シート ▸ 移動またはコピー)。 (Joost Eekhoorn, Christoph Noack)
  • シートごとのオートフィルタ: あらかじめ名前付きの範囲を設定しておくことなく、シートごとにオートフィルタを設定できるようになりました。これまでは、1つのドキュメントで1つのオートフィルタしかサポートされておらず、名前付きの範囲をあらかじめ作らずにあるシートでオートフィルタを設定してしまうと、別のシートで設定したオートフィルタが無効化されてしまっていました。 (Markus Mohrhard)
  • 描画レイヤーを刷新し、図形描画オブジェクトの位置とサイズの再現性を向上。 (Caolán McNamara, Red Hat, Inc.)
  • 外部参照の取り扱いに関する大幅な刷新: 外部参照に関するコードは大幅に書き換えられ、外部参照が関わる数式の計算の多くのバグを修正しました。また、特に大きなデータ範囲を参照している場合に、データキャッシュのパフォーマンスが改善されました。 (Kohei Yoshida)
  • シートごとの名前付き範囲: これまでは、アクティブなシートに関係なく、ドキュメント全体で参照できる名前付き範囲しかCalcではサポートされていませんでした。3.4では、シート内でのみ有効な名前付き範囲を定義することができます。この変更に伴い、「名前の指定」ダイアログ({{bc|挿入|名前|指定})も変更されました。 (Kohei Yoshida)
  • 一つのシートに複数の小計: データ ▸ 小計から、1つのシートで複数の小計範囲を定義することができるようになりました。これまでは、小計範囲を設定しようとすると、それまでに同一シートにあった小計範囲を上書きしてしまっていました。(Kohei Yoshida)
  • Excelファイルを読み込んだ際に、他のExcelファイルに対するOLEリンクを外部ドキュメントの参照として読み込むように。これまでは、CalcはExcelファイルを読み込む際にOLEリンクを無視し、OLEリンクを含むセルをエラーとしていました。 (Kohei Yoshida)

ピボットテーブル (元 データパイロット)

  • フィールドの数が無制限に: これまでには、ピボットテーブルは8個までの列/行データフィールドと10個までのページフィールドしかサポートしていませんでした。3.4ではフィールドの数の制限がなくなりました。 (Kohei Yoshida)
  • 名前付き範囲をデータソースとして: 3.4では名前付き範囲をピボットテーブルのデータソースとして使うことができるようになりました。これにより、例えばデータソースに新しい行を追加して、ピボットテーブルを更新すると、ピボットダイアログを使ってデータソースの範囲をいちいち変更することなしに、新しいデータが反映されるようになります。 (Kohei Yoshida)
  • 内部的な変更: ピボットテーブルの内部の実装に大きく手が加えられ、主にピボットテーブルの更新に関わるいくつかの回帰バグを修正しました。 (Kohei Yoshida)

Impress / Draw

  • HTMLへのエクスポート機能が強化され、目次ページにスライドのサムネールが表示されるように。 (Julien Nabet, Michael Meeks)
Impressによりエクスポートされたサムネール付きのHTML


フィルタ

  • Javaで書かれていたフラットODFのインポート/エクスポートフィルタをC++で書き換え、速度が大幅に改善。Writerドキュメントを .fodt で保存してみてください。 (Peter Jentsch)
  • 古くなったStarOfficeのバイナリファイルフォーマットのフィルタを刷新し、書き出しのコードを削除。これにより、フィルタのサイズが小さくなり、これらのファイルは読み込むことだけができるようになりました。「名前を付けて保存」ダイアログもスッキリしました。 (Pierre-André Jacquod)

全アプリケーションに共通の変更点 Core changes

GUI

  • Unityをサポートし、グローバルメニューが有効に。 (Alberto Ruiz for Canonical Ltd.)

  • フォントプレビューの国際化: フォントを選択するドロップダウンメニューにおいて、ある特定の文字(アラビア文字、ヘブライ文字、マラヤーラム文字など)のために用意されたフォント向けに、その文字による描画例も表示するように。これまではこのように表示されていましたが、新しいバージョンではこのように表示されます。 (Caolán McNamara, Red Hat, Inc.)


  • オートコレクト: 文の始めに"http://"と入力しても、勝手に大文字から始めないようになりました。このようなURLは大文字で始める対象から外れました。 (Sébastien Le Ray)
  • 文字のレンダリング: Linuxにおいて文字のレンダリングが改善されました。他のCairoを用いたアプリケーションと同じサブピクセルの設定を用い、Cairoを通じて文字が描画されます。これにより、LibreOfficeでも、他のデスクトップアプリケーションと同じように文字が表示されるようになりました。デスクトップ全体でサブピクセルを有効にした場合のスクリーンショットをご覧ください。 (Caolán McNamara, Red Hat, Inc.)
  • Linuxのマウスポインタのテーマに適合 (Kurosawa Takeshi)
  • Gtk+テーマとの親和性を向上し、LibreOfficeがよりネイティブアプリケーションらしく。メニューの区切り線、Altキーに関する問題、トグルボタン、その他多くのウィジェットのレンダリングの細かいところを修正。どのように変更されたのかについては、こちらをご覧ください。 (Lucas Baudin)
  • 検索ツールバーがよりFirefoxやEvolutionと同じような動作をするように。デフォルトでは非表示で、Ctrl + fでウィンドウ下部に表示されます。また、より多くのテキストが入るように検索窓が広くなりました。詳細な変更点とスクリーンショットはこちらから参照できます。また、「検索と置換」ダイアログを開くショートカットキーは Ctrl + Alt + f に変更されました。 (Jan Holesovsky)
  • Writer、Calc、Impressにおいて、線のスタイルと幅を別々に設定できるように。 (Cédric Bosdonnat)
  • 3Dの境界線をサポートし、ODFを含む各種ファイルフォーマットを読み込み時の互換性を向上。 (Cédric Bosdonnat)
  • グラフの色: ツール ▸ オプション ▸ グラフ ▸ デフォルトの色からグラフに使用可能な色を追加/削除できるように。 (Rob Snelders)
  • ⇧ Shift + F3による大文字/小文字の切り替え: tdf#32559 (Bálint Dózsa)

パフォーマンス

  • Linuxにおいてスムーズな起動: アプリケーションのデータを読み込み始める前にスプラッシュスクリーンを表示するようにし、スプラッシュスクリーンが表示されるまでの時間を短縮。 (Michael Meeks)
  • アクセシビリティのテーマに用いられていた、非効率で不必要な'BmpColorMode'を用いる方法を中止。テーマの容量を小さくし、ハイコントラストアイコンを専用のテーマに分離することで重複していた部分を解消。 (Chris 'mordocai' Carpenter, Sebastian Spaeth)
  • 150もの重複した 'missing icon' アイコンを削除。 (Joachim Trémouroux, Andrew C. E. Dent)
  • 使用頻度の低いエンコーディング変換機能を別のライブラリに切り離したことにより、1Mb程度のメモリを節約。 (Jan Holesovsky, Michael Meeks)
  • Linuxのfontconfigのメモリリーク: フォントに関連するメモリリークを修正し、最大で800k程度(インストールされているフォントの数による)のメモリを節約。 (Caolán McNamara, Red Hat, Inc.)
  • より効率的な圧縮をすることにより、Windowsインストーラのサイズを30Mb以上も小さく。 (Kálmán „KAMI” Szalai)
  • 624個の各国語のパレットファイルを削除し、ローカライズされたランタイムデータに。 (Andras Timar)
  • Windows 9xのUnicode対応していないWin32 API向けの互換性対応のためのコードを削除。 (Jesús Corrius)

その他

  • パスワード付きのドキュメントを開いている場合にファイル ▸ プロパティ ▸ 全般 ▸ パスワードの変更によりパスワードが変更可能に。このボタンはドキュメントがパスワード付きで保存されている場合にのみ有効です。 (Kohei Yoshida)
  • Linuxにおいて、LO-3.3とLO-3.4の両方を同一マシンにインストール可能に。ただし、ユーザー設定が2つのバージョンで共有されるため、同時には起動できません。

ソースコードの整理

  • コード全般にわたるstlportへの依存を解消。 (Fridrich Strba)
  • 多くのDECLARE_LISTを削除し、STLかboostのptr_containerに置き換え。 (Joseph Powers, Rafael Dominguez)
  • 数千にも及ぶドイツ語のコメントを英語に翻訳。 (Christina Roßmanith, Albert Thuswaldner, Martin Kepplinger ...)
  • 誤って実行可能状態になっていた多くのソースファイルを修正。 (Francisco Saito)
  • 5000行以上の使われていないコードを削除。 [Writer/Calc/Impress] (Kayo Hamid, Takeshi Abe)
  • SAL_N_ELEMENTSを使用。 [Writer/Calc/Impress/Base] (Kayo Hamid)
  • Cppcheckの警告を修正。 (Kayo Hamid)

ローカライゼーション

  • 「データパイロット」は「ピボットテーブル」に名称変更
  • コンゴ共和国で話される Beembe (beq)、 Bekwel(bkw)、 Kituba (mkw)、 Lari (ldi)、 Mbochi (mdw)、 Teke-Ibali (tek)、 Teke-Tyee (tyx)、Vili (vif) が文書内で指定可能になり、これらの言語に対するHunspellスペルチェッカが利用可能に。 (Andras Timar)
  • ポルトガル語 (アンゴラ) のロケールデータを追加。 (pt_AO) (Andras Timar)
  • ドイツ語のスペルチェック辞書、ハイフネーション、類義語辞典を更新。